ポートフォリオレビューに参加するための心得

●まず自分のゴールを明確にしましょう。
自分の作品で展覧会を開きたいのか、写真集を出したいのか、ギャラリーでオリジナルプリントを売りたいのか、それとも写真家としての次のステップアップをめざしているのか、自分のゴールをレビュアーに伝えることでレビュアーの指摘するポイントも違ってきます。

●作品をコンパクトにまとめておきましょう。
レビュアーに見てもらう時間はさほど多くありません。たとえ100点以上の作品があったとしてもそれを全部見てもらうのはレギュラーレビューの20分という時間ではむずかしいことです。ひとつのテーマの写真であれば15点から20点くらいにしぼったかたちでみせるのが効果的です。別のテーマの写真も見せるのであればやはり同じくらいのボリュームがいいでしょう。レビュアーからのフィードバックを聞く時間も必要ですので欲ばらない方がいいのです。

●見てもらう作品の解説(アーティストステートメント)を書いてみましょう。
そして、自分でポートフォリオを見せながら作品の解説をする予行演習をするといいでしょう。時間を計ってみて簡潔に解説しながら見せる練習をしてみましょう。

●ポートフォリオの形式をよく考えて制作しましょう。
ブック型のポートフォリオでプリントがラップされているものが最適と思える人がいるかもしれません。ギャラリストにオリジナルプリントのクオリティをきちんと見せたい場合はシェル型のポートフォリオで見せるのがいいでしょう。最近はノートブックパソコンで作品を見せる人もふえています。

●レビュアーのことを知りましょう。
参加するレビュアーはどんな人なのか。インターネットで検索すればかなりの資料とめぐりあえます。ギャラリーによってアーティストの傾向も違います。そのギャラリストが求めていないようなジャンルのポートフォリオを見せても興味を示してくれないでしょう。それはお互いに時間の無駄になります。

●レビュアーに渡す資料をつくりましょう。
レビュアーは多くの写真家の作品を一度に見ることになります。後でよく思い出してもらうために、自分の名刺(作品が入っている方があとでわかりやすくなります)やプロフィールや作品解説を書いたファイルを用意してレビュアーに渡せるようにしておくことも大切です。
レビュアーに渡す資料は簡潔でシンプルなものがいいと思います。レビュアーが持ち帰ることの出来るボリュームは限られています。

●自分のウェブサイトをつくりましょう。
レビューをしてすぐに何かが起こることはめったにないことです。後々グループ展をするときに思い出してもらうとか、年度が替わってから出版計画をつくる、ということがおうおうにしてあるものです。あとからレビュアーがあなたのことを思い出して資料を見たいと思ったときにウェブサイトがあると便利です。世界のファインアートフォトグラファーは必ず自分の名前のアドレスのウェブサイトを持っています。

●ノートを用意しましょう。
レビュー本番の時にはレビュアーからの意見をきちんとノートに書いておけるように用意をしておきましょう。

●レビュアーの名刺をもらいましょう。
レビュアーの名刺を必ずもらっておきましょう。後々あなたが展覧会を開いたり写真集を出したり、新しいプロジェクトを発表したときにメールや郵便物で伝えることは大切なことです。

●参加する他の写真家と交流しましょう。
お互いの作品を見せ合ったり意見交換したり、情報を共有したりすることは写真家にとってとても有意義なことです。

●マナーを守りましょう。
レビュアーは多忙な時間をさいて参加してくれます。新しい才能との出会いを期待しているからです。またそれぞれに相性や好みがありますので、あなたがアプローチしたいレビュアーがあなたとあわない場合もあるでしょう。ぜひ礼節のある態度でレビュアーと接するようにしましょう。
レビューは限られた空間で多数の写真家が同時に受けます。大声で話したり机にのりきらない資料をひろげるのは他の写真家の迷惑になります。