2009年にオープンしたブルームギャラリーは、今年(2015)の5月に7周年を迎えました。写真専門ギャラリーとして大阪の下町エリア(十三)でスタートさせ、これまで100回以上の展覧会を開催。西日本にゆかりのあるアーティストを国内外に紹介する活動拠点として、また、国内外で活動する著名アーティストを大阪に招く場として2つの軸で展覧会を企画しています。

「地方都市のギャラリーにできること。」
「地方都市のギャラリーだからできること。」

2011年の未曾有の被害をもたらした東日本大震災以後、あきらかに日本人の価値観は大きく変わりました。新しい情報の受発信のかたちであるソーシャルメディアの登場と時期が重なったこともあり、本来ゆるやかに起こっていた変化が急速に加速されたといってもいいかもしれません。

ここ数年、私の周囲には好んで地方都市を活動拠点に選び、世界をまたにかけて活動するアーティストが増えています。彼ら彼女らは国内外の他の地域とゆるくつながりを持ち、他分野ともコラボするなど、領域を横断しながら幅広い活動を展開しています。このような自ら積極的に情報の受発信を行うアーティストの活動が目立つ一方、自らの活動を積極的に発信できていないアーティストがまだまだ多いのも現状とも言えます。

今回、フラクションマガジンジャパンへの掲載にあたり、前述のような視点もあり、西日本にゆかりのあるアーティストを選出させていただきました。

選出にあたり、「都市を切り取る」、「ふるさとを記録する」といった写真の「記録性」にあらためて着目し、身近な場所やゆかりの場所を撮るアーティストを紹介することにします。彼らの作品を比較することで、各アーティストの都市を見る視点や思考の違いがよくわかり、視る側にも様々な気づきを与えてくれることでしょう。

今回紹介したアーティストはほんの一部ですが、地方都市にはまだまだたくさんの面白い人や作品が潜んでいます。ブルームギャラリーの「bloom」には成長するという意味があります。ギャラリストはアーティストがいなければ何者でもありません。そして、アーティストにとって、作品を世に送り出すためにはギャラリストのような存在は必要だと感じます。だからこそ、ブルームギャラリーでは両者がタッグを組み、ともに成長しながら世の中に作品を広める方法を一緒に考えていくことを重要視しています。そして常に頭の中にあるのは、

「地方都市のギャラリーにできること。」
「地方都市のギャラリーだからできること。」

今後も地方を活動拠点にするギャラリスト視点から、アーティストを紹介し続けていきたいと思います。今回紹介したアーティストの詳細情報や作品についてのご照会など、お気軽にお問い合わせください。

ブルームギャラリー代表 窪山洋子