私の作品のベースは写真を撮るというアイデアではなく写真はつくるものというアイデアに基ずいています。カメラを真実や現実の証拠を表現するという事よりも、アイデア、そしてマテリアルを作り上げる道具として、人工であるアートフォームをつくりだす為に使います。そして自ら作り出したオブジェクトを照明、現像方法、そしてプリント方法などを考慮して撮影する事によって自己のアイデアを新しいイメージに焼き込みます。

このPaper_Workシリーズの場合は大量生産されたコピー用紙を様々な形に折ったり曲げたりして形を作りだしました。それらのイメージは私たちがどのように紙のような本当にシンプルな物を異なった角度から観察し理解する事で新たな事ごとを発見する事が可能なことを指摘します。

日常の物事、オブジェクトなどを異なった視点から新しい考え方を作り出す事を体験するプロセスは作家とし最も興味を持っている事の一つです。

杉本剛ウェブサイト