コンテンポラリーな写真が好き 一花義広(リブロアルテ主宰)


私は、大学卒業してすぐに日本画専門の美術館の学芸員として働き始めた。仕事は日本画関連の展覧会の企画をしたり、ワークショップ、講座などを開催するのが仕事だった。特に展覧会カタログの制作は大変重要なものでした。そこで私は本の制作プロセスを勉強しました。そこには様々な人たちが係っている。デザイナー、写真家、印刷オペレーターなどなどだ。特に写真家の仕事には大変興味があった。当時はデジタルではなくポジフィルムでの撮影が主流だった。そこで多くの写真家の作品も見るようになっていた。アラーキー、森山大道などは写真雑誌によく取り上げられていたし、シカゴに行った時に現地の美術館でグループ展が開催されていたので、見に行った時に偶然杉本博司の作品に出くわした。日本人の写真家が海外で活躍している事に正直驚いた。それから写真の魅力に取り憑かれた。当時私が良く見ていたのは、ベッヒャーだったり、トーマス・ルフ、シンディー・シャーマン、メイプルソープ、ラリー・クラークなどの写真だった。

今回、私が選んだ写真家は、今まで私が見て来ていいなあと感じた写真家に照らし合わせて考えて選んだ。特にコンテンポラリーな作品に強く興味がある。ランドスケープ、ストリートスナップなどの作品もよく見えるが、今回は選ばなかった。コンセプトがしっかりしていて、若い作家で、作品の完成度の高い作家を選んだ。
今回選んだ6名は、すでに海外で活躍している作家もいるし、今後国内外でも注目を集めるだろう作家たちです。