On Her Skin 清水朝子
On Her Skin by Asako Shimizu
彼女の肌の呼吸は、途切れること無く静かに続いている。
しかし、私の住む処は、アスファルトと町中を散らす騒音が、
そのわずかな吐息をさえぎってしまう。
いつの間にか彼女と自分の関係などすっかり切り離し、
あたかも始めから無かったかのように、
私は日々、足早に彼女の上を突き進む。
ある日。
少しばかり遠出をすると、
彼女のため息にも似たちょっと辛そうな吐息が聞こえてきた。
私は時折、彼女と話がしたくなる。
そして問いかける。
その存在の先にあるものは・・・?と。
彼女はなにも応えず、静かに横たわるだけだが
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