発掘 オデッテ・イングランド
Excavations by Odette England
関心事
発掘#33
憂鬱
発掘#8
気後れ
発掘#35
先入観
発掘#52
責任
発掘#59
神経
発掘#44
不快感
#14 発掘#6
好奇心
発掘#3
不安
発掘#19
写真で家族の歴史を保存するというのは、考古学の発掘作業のようである。露光、現像そして遺物の記録などを伴う。しかし、真実を明るみにするという、もしくは少なくともイメージの「表面上の真実」を解釈するという行為には、「捜索」や「発掘」が必要である。
この「発掘」というプロジェクトは、家族の物語という見えない社会的な空間の探求である。コダックのビンテージフィルムを使い、家族の写真やアルバムからのスナップ写真を暗室で原色カラープリントし、色々な種類や粗さのサンドペーパーで丁寧に処理した。サンドペーパーを使うのは、ディテールをぼやかせ、部分的にスムースにし、まだらに粗くすることができ、また人や風景を削ることもできる。つまり、自分の過去・現在・未来を削って滑らかにすることができる。スナップ写真が記憶上のものであるということでさらにその重要性を面白いものにしている。新しい物語は、存在を符号的な非存在へと変える相互作用を通して浮き上がってくる。
新しい作品は、過去の事象がどのように再提示されるか、またそれらが私たちの考えや信念にどのように影響するのかということに挑んでいる。
オデッテ・イングランドはオーストラリア・南オーストラリア州アデレード在住の作家。。
(翻訳 山田晃弘)