信じ込みの舞台 ジャスティン・ノーラン
Stages of Persuasion by Justin Nolan
フォーテュナの女神
アーチェリー場
会議室
バービーシューズ
パリ、ラスベガスにて
スパ
オーロラルーム
水槽
ステージ
アップルストア
バスプロショップ
熱帯雨林カフェ
カールスバッド大洞窟のトイレ
古い写真館の椅子
モニュメントバレーのお土産屋
アメリカンガールレストラン
デッキチェア
ファンタジーは、参加者がストーリー展開に沿って演じることによって成り立つドラマである。私の多くの作品は、作り上げられた空間が人の願望に影響することについて追究している。自然、美、や恐怖までもの理想的で明確な概念が、撮影した多くのテーマレストランやお店、アミューズメントパークにみることができる。
ますます、テーマ空間は視覚的だけではない、全ての感覚を必要とする“エクスペリエンス”をもって観客を引きつけようとしている。音、におい、光の全てが構造上の符号としてかみ合い、参加者をとりまくエクペリエンスを創り上げている。この種の空間の建築は、なじみのあるシンボルのミックスや、それを別な目的に作り替えることで、病院がスパのようになったり、ショッピングモールが大聖堂のようになったりする。カメラは、これら公共の場の分離された装飾を取り出し、再配置している。
このような場所では、積極的に意欲的にファンタジーや芝居に参加する者たちを魅了させる。多くの場合、ファンタジーの概念は、明白で合意に基づくものである。アップルストアやIKEAのような店では、もっと巧妙な手法で操作しようとしている。これら消費者の空間では、願望や独自性に細かく注意を払って演出している。作品には、人は写っていないが、見る者が、物語がない信じ込まされた舞台の観客となる。
ジャスティン・ノーランはフロリダ州デイトナビーチ在住の作家。
(翻訳 山田晃弘)