大琉球写真絵巻パート1&パート2  石川真生

The Great Ryukyu Photo Scroll by Mao Ishikawa

Part 1

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ウミンチュ(漁師)が魚をいっぱい釣って来た。(琉球國時代)


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1609年3月、徳川幕府から「琉球征討」を許された薩摩藩が3000人の軍勢で琉球に侵略。奄美群島を次々に征服。4月に首里城を占拠。琉球は降伏した。薩摩藩は幕府から琉球の支配権を承認され、奄美群島を割譲させ直轄地とした。琉球國は薩摩の支配を受ける一方、中国との冊封(王の承認)・進貢(中国皇帝に貢ぎ物を献上)関係を続けた。


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「琉球処分」。1879年3月27日、明治政府の処分官・松田道之が軍隊や警察など600人を率いて琉球へ。首里城で「琉球藩を廃止、沖縄県とする」と布達。500年に及ぶ琉球國は崩壊し、日本に併合、沖縄県となる。国王尚泰は東京在住を命じられた。

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沖縄戦。1945年6月、米軍から逃げ延びる途中で家族全員が殺され、たった一人生き残った子ども。戦争孤児は約1000人いた。


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琉球國の日本への併合後、学校や家庭で同化政策が進み、うちなーぐち(沖縄語)が禁止、「標準語」を話すよう教育された。それは45年の敗戦後も継続、「放言札」は1960年代まで続いた。

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落ちる、危険だ」と言われるオスプレイを、米軍普天間飛行場のフェンスに隣接する民家の屋根に落としてみた。パイロット役は演劇集団FECで「お笑い米軍基地」の脚本を担当する小波津正光(こはつまさみつ)さん。基地の中にオスプレイの格納庫が見える。

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2013年11月、自民党本部。「米軍普天間飛行場は県外へ」と公約して当選した沖縄の国会議員5人を従え、辺野古移設で(5人と)合意したと記者会見する石破茂幹事長。


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2014年1月、名護市長選で「500億円の名護振興基金新設」とカネをちらつかせた石破茂自民党幹事長。防衛省の辺野古埋め立て申請を許可した仲井眞弘多知事に不承認をつきつける稲嶺進名護市長。「違法な反対運動の妨害活動に警察と海上保安庁の積極的な対応が必要」と、島尻安伊子参議院議員が国会で政府に要求。

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安倍晋三首相が憲法9条を無視し、国会での議論もなく閣議決定だけで「集団的自衛権」を推進。

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「沖縄に災いを持ってくるな~!」と、日本に向かって祈るカミンチュ(神人)。

Part 2

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1854年、ペリー提督率いる米国艦隊が琉球國へ「琉米修好条約」を結ぶようやって来た。「艦船へ薪、食糧、水を供給すること、治外法権を認めること」など大国の要求に逆らえない琉球は署名した。米国はこの時代から沖縄(琉球)に身勝手な要求をしていたことがわかる。条約を現代に置き換えて、沖縄の要求をブラックジョークで書いてみた。米国は「いつまでも沖縄にいたい。なぜなら、思いやり予算があるから」と書いている。


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「あなたは何人ですか?」
1、日本人 2、アメリカ人 3、中国人 4、沖縄人
 米軍統治下時代の1950年代~60年代に全琉あちこちの小、中学校でアンケート調査があった。先生たちは生徒に「あなたたちの祖国は日本ですよ。日本に帰ったら平和憲法の下、人権も 守られるし、米軍の支配からも解放されます。日本人だという自覚を持ちましょう」と、盛んに日本人教育をしていた。それでも「4、沖縄人」に◯をつける 生徒が多かったという。

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1970年12月20日未明、コザ市(現沖縄市)の胡屋付十字路付近で、米兵による交通事故が発生。糸満市で主婦を轢殺した米兵が、軍事裁判で無罪判決がでた直後とあって、事故処理を行っているMP(憲兵)を群集が取り囲み、「糸満の二の舞を繰り返すな!」と騒ぎ出した。MP隊が威嚇発砲したため、米軍統治下で続く人権抑圧に怒る住民感情が一気に爆発し、駐車中のMP車両および外人車両を横転させ次々と放火した。その数82台。米軍はカービン銃で武装したMP約300人を出動させたが、約5000人の群集とにらみあうなど、騒ぎは朝まで続いた。


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2014年11月、沖縄県知事に翁長雄志さんが当選。喜ぶ稲嶺進名護市長。負けて悔しがる仲井眞弘多知事を「辺野古の埋め立てを承認しただけで、あなたは立派に役割を果たしましたよ」と、慰める安倍晋三首相。


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2014年12月、翁長雄志知事と共に「米軍の新基地建設反対!普天間飛行場は県外へ」と訴え、「オール沖縄」の4人の衆議院議員候補全員が当選。糸数慶子参議院議員と共に「ばんざ~い!」。対する「辺野古へ移設すべき」と訴えた自民党の候補者4人全員が落選。だがすぐに比例区で全員が当選。ゾンビが復活した。

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親富祖愛(おやふそあい)さんはアメリカの黒人兵と沖縄人の母親の間に生まれた。夫の大輔さんと共に本部町営市場でオリジナル洋服屋を営んでいる。愛さんは3人目の子どもを妊娠中。家族全員で辺野古の新基地建設反対運動の現場へも出かけて行く。

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東村高江の森の中、チョウの撮影に夢中な宮城秋乃さん。頭上をオスプレイが飛んでいる。森の生き物をずっと観察し記録している秋乃さんはオスプレイを含む米軍機の飛行やヘリパット建設に反対だ。「今でも建設のために木々をいっぱい伐採しているので多くの虫たちが死んでいるのよ」

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米軍の新基地建設に向け工事中の海で、抗議船に乗っていた女性が乗り込んで来た海上保安官に馬乗りにされる暴行を受けた。後日、船長の北上田毅さんが海保に指をひねられる暴行を受けた。その時の船で北上田さんが見守る中、海保に馬乗りにされる島尻安伊子参議院議員と、首根っこをつかまれた安倍首相。暴力団・海保に二人がやられてみるがいい。


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国際的保護動物、ジュゴンのえさ場でもあるきれいな海に日本政府は米軍のために新たな飛行場を名護市のキャンプ・シュワブ沖に建設するという。沖縄県知事や名護市長を始め県民の反対する声を一切無視し、海を埋め立てるための工事が今、連日強行されている。2㌧から45㌧の大きなコンクリートブロックを海中に沈めて珊瑚を破壊しまくっ ている。ならば安倍首相よ、お前が珊瑚の代わりにブロックでつぶされてみるがいい。沖縄人と海の生き物の苦しみを味わうがいい。


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どんなに翁長雄志知事や県民が反対しても米軍基地建設を強行する日本政府。「沖縄は日本の植民地ではない。絶対許さん!」


琉球王國時代から現在まで、沖縄で起こった歴史的事実を私が想像たくましく場面を作って、友人、知人に演じてもらい創作写真に仕上げた。かつては琉球を盗られ、今も基地を押し付ける日本政府に対する沖縄人としての私の抵抗だ。


石川真生は沖縄生まれ。沖縄在住の写真家。

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