黄泉 福間海
The World of the Dead by Umi Fukuma
私は写真を、世界を手に入れるためのものと考えている。私にとっての世界は常に手に入らないものであった。そして私が欲しい世界は、移ろうことの無い確かな世界であり、根源的なもの、絶対的なものである。
制作においては、自然物や現象を神格化する日本のアニミズムを意識しながら、人為の及ばない何かを感じるもの、いわゆる霊的な存在を撮影している。ただひたすら山に入り、何かに遭遇することを祈り、対峙する。そういった行為の中で人間の普遍的な感情の根源につながるものを探している。
また表現面においては、近代絵画、とりわけモネの『睡蓮』やピカソの『青の時代』に、制作にあたっての姿勢や価値観はジャコメッティに強く影響を受けている。
純粋に、見えるがまま(『ジャコメッティ』矢内原伊作著)に写し出していきたいと思っている。
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