未来都市 ノア・アディス
Future Cities by Noah Addis
ララバイ・コンパウンド 立ち退き #1、マンカード、ムンバイ
再建された家 #1、ララバイ・コンパウンド、ムンバイ
ズーカ・ナガー #1、カーラ、ムンバイ
ララバイ・コンパウンド再定住住宅、マンカード、ムンバイ
ホーム #1、カラファ・バブ・アル・ナスル、カイロ
畑の中の新建築、マリウテヤ、カイロ.
環状道路沿いの建築物、マリウテヤ、カイロ
ミルプール・ワン #2、ダッカ
炭焼きの家、シティオ・ダマヤン、マニラ
新しい家 #1、アソシアシオン・ロス・アンヘレス・デ・アントニオ・セツルメント、リマ
新しい家々、アソシアシオン・ロス・アンヘレス・デ・アントニオ・セツルメント、リマ
ビラ・マリア・デル・トリウンフォ #1、リマ
エカテペック #1、メキシコ州
ナカルパラ #1、ダッカ
歩道の家 #1、キルガオン、ダッカ
ミルプール・ワン #1、ダッカ
マンシェット・ナセルの建築現場、カイロ
マンシェット・ナセル #1、カイロ.
ゴミ拾いの家、シティオ・ダマヤン、マニラ
ラ・プラデラ・セツルメントでサッカーをするルイス・フェルナンド・バスケス、リマ
「未来都市」は世界の都市の非公式の共同住宅や無計画な集合住宅を撮影したシリーズだ。これらのコミュニニティはさまざまな形をとるが、その成り立ちは共通している。職を求めて、人々が(主として地方から)都市にやってくる。市場に出回っている住宅は家賃が高く、安く生活できる住宅を必要とする彼らは、使われていない小さな土地を見つけ、そこに家を建てる。他の人々もこれにならい、やがて都市内部に新しいコミュニニティが生まれる。
こうした困難な状況の下で暮らす人々を「犠牲者」と見なすことはたやすい。だが現実には、世界中のこうしたコミュニニティで暮らす人々は、施し物も、どう生きるべきかを教えてくれる人も必要としていない。彼らが必要としていることは、きわめて具体的であ。まずは、土地の所有への道筋だ。それによって彼らは新しいコミュニニティに現実的な利害関係をもつことができる。家の所有権を手に入れ、それを元にして事業を始めるための資金を借り入れることができる、信用と金融サービスへのアクセスを必要としているのだ。そして子供たちの教育も必要としているし、水道や汚物処理、電気などの基本的な設備とサービスも必要としている。
現時点では、都市は地方からの急速な人口流入への対応に苦慮していて、これらのニーズは満たされていない。それでも、もしこうした基本的ニーズが満たされれば、これらの新しい都市共同体が活気あるコミュニニティへと変貌する可能性があることを裏づける明確な証拠がある。
私がこれらの非公式な住宅を撮影しようと考えたのは、こうした居住地がそこに住む人々のニーズに合わせて、まるで有機体のように成長していくことに興味をもったからだ。これらのコミュニニティから、都市計画やサステナブルな開発のあり方について学べるものがあるのではないだろうか。さらには発展途上国において、地方から都市へ1ヵ月に500万人のペースで流入する人々が直面する問題への認識を喚起するために、これらの写真を使うことができればとも考えている。
ノア・アディスはオハイオ州コロンバス、アメリカ在住の写真家