ボリナス レイチェル・バレット
Bolinas by Rachel Barrett
ケイル通り
ヴカ
アワビ
奥のキャビン
遺跡
セーラ
本屋
ナイル
音楽室
引き潮
へレーン
セージ
ブルック
ブルックの焚き火
エーガットへの入口
ゾーイ
シルエット
ケイシー
魅惑の森
ジェーナ
ボリナスは、北カリフォルニアの社会に属さない小さなコミュニティーで、太平洋側にある二つのプレートを跨り、過去と現在、そして2つの世界の上に不安定に存在しています。未舗装の道路に手書きの標識は、非常に隔離された住民の1920年代の文化的また農業の繁栄の歴史と、サマー・オブ・ラブ以降の1960年代後半のヒッピー文化の境界を標しています。1971年の原油流出の除去作業によりボリナスの人々はひとつになり、お互いに本質的な存在を共有し、彼ら自身の思うように土地に密着して生きていくことを決めたのです。
町には、もう本当の意味でのコミューンは存在しませんが、人類と自然が融合するように、常にも物のやり取りや係わり合いなどの共有の精神は生きています。私の世代が土地への回帰の考えを再び唱え始めたことで興味を覚え、また、この運動の社会的、政治的意義に魅せられて、もっと探ってみたいと思いました。私がこの場所へ訪れるきっかけとなったのは、友人が2008年の終わり頃に7人の住人と家をシェアし始めたからです。二年間近くの間に、何度も長期間訪れ作品を作成しました。作品はアイデンティティーの研究であり、個人個人が他人との、また土地との繋がりの中に自分自身を見つけていく過程でもあります。一瞬一瞬をひとつにする目に見えないクモの巣のような、その入り組んだ複雑な相関性に感銘を受け、写真には示された神秘性や、現実の断面、また、ここで交差する幻想や、ボリナスの人々がこの神秘的な町の風景の中に持つ宗教のような深い精神的繋がりが、肉体的に精神的にそのように行動させていることを掘り下げて映し出しています。
レイチェル・バーネットは、ニューヨーク・ブルックリン在住の写真家です。
また、Tenの特集ページにボリナスが掲載されています。
(翻訳:山田晃弘)