コットンランド- ミシシッピーデルタ マグダレーナ・ソール

Cottonland - The Mississippi Delta by Magdalena Sole

280_sole01.jpg
踊る少女


280_sole02.jpg
冗談


280_sole03.jpg



280_sole04.jpg
タバコ

280_sole05.jpg
窓の外


280_sole06.jpg
孫娘


280_sole07.jpg
ハイウェイ1号線のクロウタドリの群れ

280_sole08.jpg
古い店


280_sole09.jpg
興味津々


280_sole10.jpg
旧友

280_sole11.jpg
過去


280_sole12.jpg
午後の太陽


280_sole13.jpg
Po' Monkey's


280_sole14.jpg
ウィロウアイランド、ミシシッピー川


280_sole15.jpg
暇つぶし

280_sole16.jpg
犬のお目覚め


280_sole17.jpg
少女たち


280_sole18.jpg
美しい女性


280_sole19.jpg
ナナ


280_sole20.jpg
テラピン・ネック・カットオフ運河


「地球上で最も南にある場所」とも言われるミシシッピーデルタは、ミシシッピー川とヤズー川の間のメンフィスからヴィックスバーグに広がる象徴的な地域です。デルタは、小作農、プランテーション、そしてブルースミュージックを思い起こさせます。この地域には、一部の地主と、老朽化した住宅や傾いたトレーラーハウスに住む多くの貧しい下層階級の人たちがいます。ここはアメリカ合衆国でも最も貧しい地域のひとつで、その幼児生存率は悲しいほど高く、失業者が蔓延し、明るい未来への望みもわずかです。ここに住む人たちの、そのたくましさ、やりくりの上手さと家族の団結力については、あまり知られていません。このコットンランドは、ミシシッピーデルタ地帯の地域社会に光を当てています。
ここを訪れた時、私には見覚えのあるものに遭遇しました。それは、社会の周辺に存在する、主流から忘れさられ孤立した地域社会です。
私は、フランコ政権下のスペインで生まれました。家族は夜中にスイスへと逃げなければなりませんでした。そして移民がアパートやバラック小屋に住む小さな町の外れに住むことになり、よそ者に対し非常に反感的な社会に適用しなければなりませんでした。そこで私は排除と、周縁で生きることを学びました。
デルタ地帯でであった人々に興味を抱いたのは、他の地域で出会ったほとんどの人たちとは違い、ここの人々は、まるで私を昔からの知人であるかのように彼らの中にスッと迎え入れてくれました。お互い色々な話をし、笑い合い、悲しみ、静かにしたりできました。これは一度や二度ではありません。毎日、どの町でも起きることです。予想外の場所で親戚を見つけたのです。
写真家なら時として、運よくあちこちに友達をつくることができるでしょうが、大体は、その土地へはよそ者として脚を踏み入れ、そしてよそ者としてその場を後にするでしょう。しかし、デルタではそうはいきません。よそ者として到着しますが、次第に生活の中に溶け込み、そして、よそ者ではなくどちらかと言うとたまたまカメラを手にした家族の一員といった感じになっていました。
これらの写真は、9回の訪問で12週間、10,000マイル以上デルタ地帯を、そこの人々と物語を求めて縦横無尽に駆け巡った結果です。これは「Forgotten Places」という作品群の一部で、社会の周縁にある地域社会を記録したものです。
2012年にミシシッピー大学出版より、「New Delta Rising」という写真集が出版されています。

マグダレーナ・ソールはニューヨーク市在住の写真家です。

(翻訳:山田晃弘)

マグダレーナ・ソール ウェブサイト