コットンランド- ミシシッピーデルタ マグダレーナ・ソール
Cottonland - The Mississippi Delta by Magdalena Sole
踊る少女
冗談
犬
タバコ
窓の外
孫娘
ハイウェイ1号線のクロウタドリの群れ
古い店
興味津々
旧友
過去
午後の太陽
Po' Monkey's
ウィロウアイランド、ミシシッピー川
暇つぶし
犬のお目覚め
少女たち
美しい女性
ナナ
テラピン・ネック・カットオフ運河
「地球上で最も南にある場所」とも言われるミシシッピーデルタは、ミシシッピー川とヤズー川の間のメンフィスからヴィックスバーグに広がる象徴的な地域です。デルタは、小作農、プランテーション、そしてブルースミュージックを思い起こさせます。この地域には、一部の地主と、老朽化した住宅や傾いたトレーラーハウスに住む多くの貧しい下層階級の人たちがいます。ここはアメリカ合衆国でも最も貧しい地域のひとつで、その幼児生存率は悲しいほど高く、失業者が蔓延し、明るい未来への望みもわずかです。ここに住む人たちの、そのたくましさ、やりくりの上手さと家族の団結力については、あまり知られていません。このコットンランドは、ミシシッピーデルタ地帯の地域社会に光を当てています。
ここを訪れた時、私には見覚えのあるものに遭遇しました。それは、社会の周辺に存在する、主流から忘れさられ孤立した地域社会です。
私は、フランコ政権下のスペインで生まれました。家族は夜中にスイスへと逃げなければなりませんでした。そして移民がアパートやバラック小屋に住む小さな町の外れに住むことになり、よそ者に対し非常に反感的な社会に適用しなければなりませんでした。そこで私は排除と、周縁で生きることを学びました。
デルタ地帯でであった人々に興味を抱いたのは、他の地域で出会ったほとんどの人たちとは違い、ここの人々は、まるで私を昔からの知人であるかのように彼らの中にスッと迎え入れてくれました。お互い色々な話をし、笑い合い、悲しみ、静かにしたりできました。これは一度や二度ではありません。毎日、どの町でも起きることです。予想外の場所で親戚を見つけたのです。
写真家なら時として、運よくあちこちに友達をつくることができるでしょうが、大体は、その土地へはよそ者として脚を踏み入れ、そしてよそ者としてその場を後にするでしょう。しかし、デルタではそうはいきません。よそ者として到着しますが、次第に生活の中に溶け込み、そして、よそ者ではなくどちらかと言うとたまたまカメラを手にした家族の一員といった感じになっていました。
これらの写真は、9回の訪問で12週間、10,000マイル以上デルタ地帯を、そこの人々と物語を求めて縦横無尽に駆け巡った結果です。これは「Forgotten Places」という作品群の一部で、社会の周縁にある地域社会を記録したものです。
2012年にミシシッピー大学出版より、「New Delta Rising」という写真集が出版されています。
マグダレーナ・ソールはニューヨーク市在住の写真家です。
(翻訳:山田晃弘)