ムクドリ パオロ・パトリッツィ.

Starlings by Paolo Patrizi

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何千もの鳥が夕暮れのローマ上空で円を描きながら飛び、夜に備えて止まり木に身を寄せ合う風景は、息をのむ空中ショーであり、同時にある種の騒音と鳥の排泄物による不快なものとなる。
ムクドリは「マーマレーション(ざわめき)」と呼ばれる群れをなし、この言葉はその数千の羽がカサカサと音を立てる様を的確に表現している。群れは、外敵に襲われた時には驚くほどに団結し、1羽も離れることはない。襲われると、ムクドリはばらばらに散り、またある時は群れが方向を変え互いに集まる。このような考えられない曲芸飛行を見せながらも、群れは常に統制されている。たとえどんなに急激に群れの形や隊列の感覚を変形させたとしても。
敵の襲撃を受けて、群れは飛散しても、またすぐに隊列を再編成することができるのは団結が一羽一羽の間隔により形成されるのではないからである。遠くにいる仲間より近くの仲間と意思の疎通をはかるという、複雑な認識能力がムクドリにはあるのだ。
これらの調査結果は他の動物の群れの研究にも大きな意味を持つだろうし、また、まさに人間の行動にも当てはまるだろう。鳥の習性は、人類の群集行動を映すものと考えられている。株式市場でのパニックなどはいい例である。個人個人はお互い調和し、またお互いを模倣しながら集団現象を作り上げていくのである。人は隣人、流行やファッションに非常に影響されやすいものなのである。


パオロ・パトリッツィは、東京在住の写真家。

(翻訳:山田晃弘)

パオロ・パトリッツィ ウェブサイト