このシリーズの写真は、不思議で神秘的な岩の裂け目の中にできたスイミングプールで、古代文明の生贄の儀式に使われたものです。今は、水泳を楽しむ人たちが使っています。この変わることのないプールで、常に変わる登場人物を撮るために何度も通いました。地球の表面の下にある黒々とした水は深く、地上の裂け目の上から光を照らし、空と太陽を見ることができます。インクのような水の中で泳いでいる人たちを上から見ると、ウサギの巣穴から別の世界を見ているようです。時には寓話のワンシーンのような私の夢の地下世界を描いているようであり、またある時は、私はただ覗いているだけで、身体的政治力や偶然的なシナリオ、光と闇の矛盾、軽さと重力、現実と空想、苦難と楽しさと、そしてもちろん潜りや泳ぎを写してきました。
ここに戻るたびに、私は、下に潜むこれらの矛盾、人の会話や不揃いな振り付けに魅きつけられます。


フランシーネ・フライシャーはニューヨーク在住の写真家。

（翻訳：山田晃弘）

フランシーネ・フライシャー　ウェブサイト