究極への探求 ジェーン・オールデン・スティーブンス
Seeking Perfection by Jane Alden Stevens
摘花#1、青森県 春
摘花#3、青森県 春
下ろした枝の焼却、青森県 春
摘花#2、青森県 春
受粉棒、青森県 春
手作業による受粉、青森県 春
リンゴの袋、青森県 夏
袋かけされたリンゴ、青森県 夏
リンゴの袋かけ、青森県 夏
摘果されたリンゴと下ろされた枝、青森県 初夏
袋が裂けるくらい育ったリンゴ、青森県 秋
外袋の取り去り作業、青森県 秋
赤い内袋とリンゴ#1、青森県 秋
赤い内袋とリンゴ#2、青森県 秋
内袋の取り去り作業、青森県 秋
内袋の取り去り作業後、青森県 秋
売り物にならないリンゴ、青森県 秋
摘果されたリンゴ、青森県 秋
育ちの悪いリンゴ、青森県 秋
輪ゴムで固定されたリンゴ、青森県 秋
プリントが貼られたリンゴ、青森県 秋
農家の人とプリントが貼られたリンゴ、青森県 秋
プリントにより印字された文字、青森県 秋
昔ながらの栽培法でリンゴを育てるのは、日本では手間がかかる骨の折れる作業です。リンゴの花が咲いてから収穫の時期までには、少なくとも10回は農家が直接手をかけてリンゴは育てられます。これらの手作業には、不要な花の摘花、花の受粉、枝下ろしなどから、リンゴの実にカラフルな袋をかぶせたり、育ちの悪い実を間引きする摘果作業や、さらには色合いを均一にするような調整や、場合によっては表面に図柄をプリントするなどの過程があります。
二年をかけて、この過程を青森県のリンゴ農園で撮影しました。これらの作品は、農家が時間や手間、心遣いなど惜しみなくリンゴの木へささげる農法に思い巡らせ、「究極への探求:日本の伝統的リンゴ栽培」と名づけました。
多くの若者が農村から都市へ働きへ出てしまうので、果物をこのように育てる栽培法は少しずつ消え去りつつあります。袋が被せられたリンゴの数が15年前より減ってしまったのはなぜかと尋ねれば、農家の人たちは両手を上に挙げて見せながら、「手が足りないから!」と答えるでしょう。
したがって、これらの作品は、伝統が次第に追いやられてしまっていることを物語り、そしてまた、未来の世代へ昔ながらの栽培法の記憶を伝えるものとなればと思います。
ジェーン・オールデン・スティーブンス
アメリカ・オハイオ州シンシナティ市在住の写真家・教師。
(翻訳:山田晃弘)