郊外の夢 ベス・ヤーネル・エドワーズ
Suburban Dreams by Beth Yarnelle Edwards
Cathy (California)
Helga and Halla (Iceland)
Elsie (California)
Kim (California)
Dyanne (California)
Lorraine (California)
Haley (California)
Dietlinde (Germany)
Josien and Marleen (Holland)
Chris B. (France)
Rita (California)
Lillian and Grace (California)
Lucia B. (Germany)
Erin (California)
June (California)
Jessica (California)
Susan (California)
Harriet (California)
Mareike and Bettina (Germany)
Benthe (Holland)
Mireille (France)
Laurel (California)
Lea-Pauline (France)
Niki (California)
時に私は、人びとが自宅でどんなことをしているのかに興味をかき立てられ、クローゼットやベッドの下に何があるかまで知りたくなってしまいます。私は自分の写真を通して、目に見えるものだけではなく、隠され、しまい込まれているものも表現したいと考えています。
1997年、私は長年住んできたカリフォルニア州のシリコンバレーにある郊外の町々で写真を撮り始めました。その作品を集めた〈郊外の夢〉がヨーロッパで展示され、出版された後、今度はフランス、スペイン、オランダ、ドイツ、そしてアイスランドで新しいシリーズを撮らないかと招待を受けました。外国で撮影を始めてみて驚いたことのひとつは、こうした国々にもアメリカの家と区別がつかないほど似ている家があるということでした。そのため、このシリーズにはヨーロッパで撮った写真も何枚か入っています。
私の目的は批判することではなく、観察することです。撮影に先立ってまずそのお宅を訪問し、自己紹介したあと被写体の候補者にいろいろな質問をして自由に回答してもらいます。そしてその答えに注意深く耳を傾けると同時に、できるだけ多くの物を観察するのです。私は自分自身を現実を追いかける「ストーカー」と考えていて、写真を可能なかぎり真実に近いものにするため、撮影にはいくつかのルールを設けています。撮影は「やらせ」ですが、あくまでも被写体から得た情報に基づき、必ず本人にその内容を知らせ、承諾を得て行います。ポーズはとらせずにアドリブでいろいろ動いてもらい、これだという表情や身のこなし、やりとりが現れるまで待つのです。
私の興味の対象は人間とその住む場所や持ち物にあるため、おのずから事実を記録することに大きな関心があります。けれども同時に、絵画のように見る人を惹きつけ、それ自体が作品として成立するようなイメージをつくることも目指してきました。構図、色、ライティング、輪郭線のディテール……などの美的要素はコンテンツそのものと同様にとても大切です。
私が目指すのは神話性と日常性のあわいの世界です。写真を通じて被写体にとっての基本的な真実のいくつかを明かそうと試みるなかで、私は特異なもの、驚きのあるものに惹かれます。それが成功すれば、ユニークであると同時に普遍的なイメージを創り出すことができるのです。今回Fraction Magazineのために選んだのは、女性や少女たちのイメージです。
ベス・ヤーネル・エドワーズ
サンフランシスコ在住の写真家
(翻訳:幾島幸子)