プロジェクト“Untitled” ノエル-スワン・ギルバート
The Untitled Project by Noelle Swan Gilbert
2007年8月、妹のローラは、二人の子供と暮らしていた家で、別れた夫に殺害さました。その瞬間、2歳と4歳になる息子たちは事実上、孤児となってしまいました。片親を亡くし、もう一方の親は警察に拘束されてしまったからです。子供たちは、弱々しく混乱しているにもかかわらず、生きている親(彼らの父親)の承認を待って社会福祉機関が彼らの定住先を決定するまで、養護施設に保護されました。このため、私の家族はコロラド州を相手に5週間訴え続け、ようやっとワシントン州シアトルにある私の両親の家に引き取らことになりました。
このドキュメンタリは、有機的に始まります。私の甥たちがシアトルに到着してからの単純な記録です。今、これが私にとって、私の心を奪い創作活動をできなくなるくらいの悲しみから逃避させてくれるものでもあったことに気が付きました。
お告げや祝福、悲しみや恐怖の中で、精神が変化し、広がり、また導くように、家族のドキュメンタリを続けたいと思います。そして、この過程を通じて、妹が見ることができなかった事すべてを見て、また、愛情を込めて誠実に、私にとって大切なその一瞬一瞬と人たちを撮影してきたいと思います。これの作品は、私自身と同じで未完成な作品です。
ノエル-スワン・ギルバートは、アメリカ、カリフォルニア州ロサンジェルス在住の写真家です。
(翻訳:山田晃弘)