今の動物たちは外にいる コリーン・プラム
Animals Are Outside Today by Colleen Plumb
チョークで描かれた鳥 2009
サンフランシスコ チャイナタウン 2010
象の鼻と手 2006
サーカスのテント 2006
アメリカ自然史博物館 1999
ベラ 2008
サーモン グリニッジヴィレッジにて 1999
アオウミガメ 2008
キツネと少年 2001
湿った青い隠れ家 鞣し工場にて 2010
キャバリーノ 2008
リス 2005
眠るライオン 2005
地平線に見える馬 1998
メール便 1998
安楽死 2009
ナンジェッセの像 2010
1928年にヘンリー・ベストンは、自著『ケープコッドの海辺に暮らして(The Outermost House)』のなかで、動物に関して、「動物たちは兄弟でもなければ、我々の下僕でもない。彼らは他の世界の生き物で、私たちによってその一生を網でとらえられ、素晴らしい隣人であり、地球上の労働力でもある。」と述べています。「Animals Are Outside Today: 今の動物たちは外にいる」では、この網の裏側を観察した記録で、私たちに動物とのかかわりを見つめ、人類が他の生き物に与える多彩な影響について考えさせます。
相反するものが人類と動物の関係のなかにあります。私たちは動物を愛し、また敬服します。子供に動物を見せ、そして学ばせます。動物は人類史の中核に密接に存在します。これは、物語や儀式、象形文字などにみられるように明らかです。と同時に、動物の肉を食したり、皮を身にまとったり、檻に入れたりすることは些細なことと考え、数えきれない方法で動物そのものやそのイメージを消費します。
今日、私たちと動物のつながりは、融合や接し方で成熟していくことがあります。動物を私たちの生活に溶け込ませることはできますが、私たちはその動物の起源をもはや知ることはありません。多くの人は、その変化や学習能力に伴う段階というものを知らずに、そしてやがて死が訪れて朽ち果てていくことを目のあたりにすることはありません。本作品はこれらの矛盾の内側を表現し、神聖なものの意味や動物によってもたらされ呼び起こされる自然とのつながりが、人類の進化と共生できるのかという問いを常に提議しています。
コリーン・プラム氏はイリノイ州シカゴ在住のアーティストです。
(翻訳:山田晃弘)