ルミナンス チエン・マ
Luminance by Qian Ma
少し前に読んだ本があります。その本は、目に見えないものの重要性や美について特に多く語っていました。この部分に私は非常に興味を持ちました。というのも、静寂の中の音楽、建物の中の何もない空間や、何も明らかにされない物語などを考えさせられるようになったからです。さらに、目を閉じる瞬間についても考えました。感覚的な負荷が多い私たちの世界では、見るという行為が十分に行われることがないのではと。そしてこれに対して何か行動を起こそうと思いました。時には、見えないものが写真を完全なものにすることがあります。
私が読んだ本は、谷崎潤一郎諸作の『陰翳礼賛』です。『ルミナンス(Luminance)』は、人が感じる明るさを表します。
チエン・マはニューヨークのブルックリン在住の作家。
(翻訳:山田晃弘)