フォトフィリア*日々写真狂について About Photophilia
インターネットのおかげで写真は今や世界にあふれかえっている。毎日死ぬほどの数の新しい写真が世界をかけめぐっている。
それらはもはやオブジェとしてのオーラもなく、亡霊のように世界をさまよい続ける。世界中の電気が途絶えた時にそれらの亡霊も消えてしまうのだろうか。写真から微笑みかけてくる恋人たちのまなざしがすべて消滅してしまったときにどんな喪失感が僕たちを襲うというのか。
どんなくだらない、とるにたらない写真でさえ、その写された刹那の時間に向かって僕たちは永遠の旅を始めることができる。
ワンクリックで消滅し、オリジナルが無限に増殖してしまう、という電気信号のイメージは銀塩写真よりも魔術的呪詛の力を持つのではなかろうか。
ともあれ僕たちは写真の刹那に向かって、今日も永遠の旅を続けていくのだろう。
コラム フォトフィリアは写真家、ギャラリスト、キュレーター、コレクター、ディレクター、評論家、写真愛好家などのインタビューやエッセイ、覚え書きなどを脈絡なく掲載していくものです。投稿も歓迎いたします。