In)(between. ShaShin Book Award 2014

パリ発、写真集のコンペティション

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In)(between. gallery (http://www.inbetweengallery.com)は、個性豊かなショップやギャラリーが軒を連ねるパリの先端アート・モードの発信地・マレ地区にあるフォトギャラリーです。
オーナーであるLuigi CLAVAREAU(ルイージ・クラバロ)は、昨年、2013年1月に初めて日本を訪れ、そこで出会ったフォトグラファーたちと語り合う中で、アーティストとギャラリーが対等なパートナーシップによって互いにチャンスを創造していくギャラリーの必要性を実感し、その実現に向け動き出しました。そして、その半年後、2013年6月、彼の長年の夢でもある「暗室・DARK ROOM」を備えたギャラリーがオープンしました。

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「Back room」にもクラバロ氏のコレクションや所属アーティストの作品を
常設展示。展示期間終了後に作品が売れることも。

ギャラリーの数は星の数ほどあるといわれるパリにあり、そのどことも似ていない独自のスタイルがあるとすれば、それはビジターとアーティストのコミュニケーションの架け橋となる機会・チャンスを様々な形で創出し発展させようというクラバロ自身の写真に対する思い入れの強さにあるといえるかもしれません。

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中藤毅彦、Gilles Roudière、梁丞佑・久塚真央、異なる表現テクニックを持つ
日・仏・韓フォトグラファーによる競演グループ展.

in)(between record vol.10 / Contrasted Places & Sakura
(2014.5-6月開催)

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「東京ポートレイト」「India」鬼海弘雄展。
In)(between. record vol5 Horoh KIKAI(2013年11月開催)

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東京の写真家・パブリッシャー集団GRAF写真展(2014年4月開催)
in)(between. record vol.9 GRAF「Fragments du Japon」

in)(between.では、新進からべテランの写真家まで、様々な個性や表現スタイル、テクニックを持つ日本の写真家をフィーチャーした企画展を行うと共に、フランス人写真家を含めた世界各国の写真家の作品発表の場をサポートしてきました。それは、単に作品を展示する空間を与えるだけではなく、展示アーティストのポートフォリオレヒューや写真集の販売はもちろん、パリのアート雑誌、ジャーナリストへの作品紹介などのフロモーションも積極的に展開し、ひとつの機会を次のチャンスへとつないでいくことがギャラリーの役割であるというクラバロの姿勢によるものです。
有名無名、ジャンルを問わず、人の心を動かす写真家の活動をサポートするin)(between. の次なるプロジェクトは、日本の写真集の力をパリから世界へと発信するコンペティション。「in)(between. ShaShin Book Award」(http://www.inbetweengallery.com/isba/)です。

オーナーのクラバロが、このプロジェクトを思い立った発端は、昨年11月のこと。
11月のパリといえば、世界最大の写真フェア「PARIS PHOTO」の開催期にあたります。毎年この時季になると世界中からギャラリストやパブリッシャー、写真関係者がパリに集まり、街にはカメラを手にした多くのフォトグラファーや写真愛好家の姿が溢れ、モードの都、アートの都といわれるパリが“写真の都”に変わる季節。もちろん、日本人フォトグラファーや出版関係者も毎年のようにこの時季になるとパリをめざします。

そんな中、クラバロは自らパリ滞在中の日本人フォトグラファーやパブリッシャーに声をかけ、彼らがそれぞれ持参してきた写真集を展示販売しながらパリの人々と交流を深めるパーティ「SOIRÉE DE RENCONTRES ET D’ÉCHANGES AVEC LES PHOTOGRAPHES JAPONAIS(ソワレ・ド・ルコントレ・デシャンジェ・アベク・レ フォトグラフィ ジャポネ)」を催しました。

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(写真上中下とも)
ワイン片手に日本の写真集に見入るパリの人たち。昨年の11月にin)(between. で行われた交流パーティ。
「SOIRÉE DE RENCONTRES ET D’ÉCHANGES AVEC LES PHOTOGRAPHES JAPONAIS」

それは、パリのひとたちにとっては普段なかなか目にすることのない日本の写真に触れられる貴重な機会であり、また、日本の写真家にとっては海外の人々の反応を直接感じることのできる、どちらにとっても新鮮な発見と興奮に満ちた一夜のパーティを見渡しながら、クラバロがそのとき思いついたのが、日本の写真家には世界に触れるチャンスを、パリの人々には日本の写真に触れるチャンスを創り出すアイデア。それがこの「ShaShin Book Award」の始まりです。着想から実行までわずか半年、小さなパリのギャラリーの大きなプロジェクトは始動することとなりました。
次はいよいよ、皆さんの出番です。
本アワードの主役となるフォトグラファーのチャレンジに期待しています。