写真中毒者のための読書ガイドについて

 2003年頃からデジタルカメラがフィルムカメラを駆逐していって、今では携帯電話には必ずカメラがくみこまれているのだから、写真を撮れない人など世の中にほとんどいなくなってしまった。その昔はフィルムが入れられなくて写真が撮れないなんていう女の子がいっぱいいたのにである。

 こういう状況は写真というメディアにとってはよりそのメディアの特徴が際立ってきたという意味でとてもいいことではある。つまりシャッターを押せば目の前の現実が記録される、という単純明快でインスタントなのが写真というメディアの特徴であってうつってしまった写真をどのように見る人に提示してその写真をどのように解釈するのか、ということが写真家の仕事の肝だからだ。

 そういう意味でこれからの写真家は技術的な修練もさることながら、より先鋭的に写真というメディアの独自性を思考しなければならなくなる。

 ところが、世の中をみわたしてみると、写真のことを先鋭的に考えさせてくれる書物が案外少ない。それでもともかく手に入る書物をよく読むことが大切だ。昨今インターネットで書物が簡単に検索できて買えるのだからとても便利なのだが、いかんせんインターネットでは立ち読みができない。また、写真家にとって必読の書が本屋の店頭にないことも多いことだろう。

 それで思いたったのが無断引用による読書ガイドというわけなのである。インターネット立ち読み、というわけ。立ち読みでピンときた本はやはり手に入れてじっくりと読むことが大事だし、必要なときにとりだして何度も繰り返し読むことも大切なこと。

 著者の皆様、出版社の皆様にはもうしわけありませんが、これは今とても重要なことだと考えています。それでもあえて苦情があればどうぞ遠慮なくお申し付けください。